ドライブ旅行の本格的な取組みへ

2007年の9月にJTBが中日本高速道路株式会社と提携して発売した『ドライブ旅行』が話題を呼んでいる。これは、JTBの宿泊プランとETCを利用した高速道路通行料の割引プランをあわせたもので、10月から12月までの期間中に利用台数1,000台、宿泊人数3,000名の販売をめざしている。

菅野 功一

菅野 功一

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観光関連業界が道路会社とのコラボレーションで新たな市場へ参入!

2007年の9月にJTBが中日本高速道路株式会社と提携して発売した『ドライブ旅行』が話題を呼んでいる。これは、JTBの宿泊プランとETCを利用した高速道路通行料の割引プランをあわせたもので、愛知県、岐阜県、静岡県、三重県内のJTB支店・JTBのホームページおよび中日本高速道路株式会社のホームページで販売されている。10月から12月までの期間中に利用台数1,000台、宿泊人数3,000名の販売をめざしている。

自家用車を利用した旅行は国内旅行全体の半数以上を占めている が、従来、ドライブ旅行は旅行会社にとってなかなか獲得しにくい市場であった。この商品の開発は、旅行会社が本格的にドライブ旅行市場に参入する意思の表れである。

一方の高速道路会社は、ETCの利用率を高めることで高速道路の料金所などでの渋滞解消に結びつけたと考えている。2007年10月のETC利用率は週平均で70%を超えたものの、自家用車が多い休日は64%と週平均をよりも利用率が低い 。週末の自家用車のETC利用率を上げることが大きな課題である。

今回の商品開発は、ドライブ旅行者の宿泊を獲得したい旅行会社と、自家用車のETC利用率を高めたい高速道路会社の思惑が一致した結果である。

2007年4月、観光協会や旅行会社、自動車関連企業を中心に『自動車旅行推進機構』が発足した。同機構は、ドライブ旅行の情報提供システムやサービス提供機能の開発を通じて、ドライブ旅行の推進を目指している。観光業界全体でドライブ旅行に取り組むということがこれまで少なかっただけに、今回の一連の取り組みは画期的である。道路会社とのコラボレーションによる商品開発で、観光関連業界があらたな旅行市場を獲得できるチャンスが見えてきた。

『旅行者動向2007』(財団法人日本交通公社)
国土交通省