海外ショッピング調査結果(2)[より高級なブランド品購入に積極的な40代女性]
消費意欲旺盛な40代は海外でどのような商品を求め、どのような消費を行っているのだろうか? 2007年1月~12月に海外旅行をした20~69歳の男女を対象とした「海外旅行ショッピング調査」の結果より、40代の海外でのブランド品買い物事情を見てみよう。
早野 陽子 主席研究員
目次
より高級なブランド品購入に積極的な40代女性
日本人にとって最も身近なブランド品といえば、鞄や財布、靴、衣類などのファッション・グッズであるが、直近の海外旅行におけるファッション・グッズの購買率を見てみると、40代の女性が最も高かった。
特に「自分用」としての購入割合が高く、半数以上の40代女性が何らかのファッション・ブランド品を自分のために購入している、という実態が明らかとなった。また、商品に求める要件として重視されることは、知名度が高いブランドであること、且つ、手ごろな価格ではないこと。つまり、そのブランドを持っていることで、他人から「高級なブランドを持っている」と間違いなく認識してもらえる商品を求める傾向が強いと言える。
免税店の品揃えには不満
では、実際にどんなところで買い物をしているのだろうか? 40代は、他の年代と比較して免税店への立ち寄り率も高めではあるが、免税店の品揃えや店の雰囲気には不満を持っているようだ。免税店のメリットであるはずの「価格の安さ」も、彼らにとっては、むしろブランドの価値を損ねることに繋がっている可能性がある。そのためか、品揃えの良さや雰囲気、本物感を求めて、現地のブランド専門店に足を運ぶ人も多い。
「そのブランドが生まれた本店で購入したい」という意識が比較的高いことや、購入した後に他人から認めてもらえることを重視する傾向も考え併せると、40代の旅行者にとって「ブランド品を購入すること」とは単に商品を買うことではなく、ブランドの持つ背景や店の雰囲気などもひっくるめて「ブランドを体感すること」であり、その体験を最大限楽しみたいというニーズが根底にあるのではないかと考えられる。
40代旅行者を惹きつけるためには、購入の過程を楽しめる店づくりや、購入体験を他人に語れる物語性を提供していくことも重要ではないだろうか。
海外ショッピング調査概要:(実施時期)2007年7月、2008年1月(年二回実施)
(対象者) 過去6か月以内(2007年1月~6月、7月~12月)に海外旅行を経験した日本全国の20~69歳男女
(有効回収数) 2回の調査で計1000名
(調査方法)ウェブアンケート
*本アンケートの結果は、近日中に「日本人の海外旅行者のトレンドと行動2008」として発刊予定です。