地域活性化のコラム
地域活性化に関わるコラムの一覧です。
地域を元気にする存在としての高校生の可能性
2018年12月、「クールジャパン高校生ストーリーコンテスト」が開催されました。このコンテストは、クールジャパン官民連携プラットフォーム(事務局:内閣府知的財産戦略推進事務局)の事業として高校生が自分の住む地域や日本ならではのクールジャパン*資源を発掘し、その魅力を外国人に伝えるための「ストーリー」を考えて競い合うコンテストです。同コンテストからみえてきた、地域を元気にする“人財”としての高校生の可能性について考察します。
斎藤 薫主任研究員
「関係人口」とは? ~観光でも定住でもない地域の新たな戦略~
人口減少が進む地域をいかに活性化させるかという国の政策、すなわち「地方創生」においては、観光振興による「交流人口」の拡大と、生活環境の整備やシティプロモーションなどによる「定住人口」の獲得が中心的な施策になっていますが、昨今、観光でも定住でもない地域外の人々との多様なつながり方を考える「関係人口」という考え方が注目されています。本稿ではまずこの「関係人口」の概要を俯瞰し、昨年から筆者がファシリテーターとして参加している長野県高森町における「関係人口」づくりの取り組みについて紹介します。
吉口 克利主席研究員
共創観光のすすめ
近年の急増する訪日外国人観光客の話題と並行して、「オーバーツーリズム」さらには「観光公害」といった課題が注目され始めている。観光客誘致による地域の活性化への期待は依然大きいものの、観光客の局所的集中や行動モラルによって、地域の生活環境や自然資源、文化資源等々への悪影響が問題視されているが、現状では地域、観光地側の課題や対策として取り上げられるに留まっている。本稿では一方の観光客の立場から観光地を大切にすることを楽しむ「共創観光」という新たな旅行スタイルを考えてみたい。
中根 裕主席研究員
世界中の若者が熱狂する「eスポーツ」の魅力について
今、世界中の若者が「eスポーツ」に熱狂しています。日本でも急速に知名度をあげ、昨年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテン入りを果たしました。eスポーツとは電子上で行われるゲームの対戦をスポーツ競技として捉えたものですが、競技大会はオンライン中継されているにも関わらず、会場には多くの若者が観戦に来ています。eスポーツの競技会場にわざわざ足を運ぶ魅力とは何なのでしょうか、どんな人が来ているのでしょうか。本文ではeスポーツの大会観戦を題材に、アンケートデータなどを用いて実際に大会観戦へ行く人々の心理を考察します。
中川 拓也研究員
「DEEP TOKYO 山谷」が訪日客にとってメジャーとなる日
ドヤ街という言葉で表現されてきた台東区山谷。高度経済成長の面影を残すこの地域にも、日本の生活文化を求めて訪日旅行者が集まりつつあります。まだ穴場ともいえる山谷が、居住者と訪れる人、それぞれにとっての居心地を損なわず、「交流するまち」としてさらなる発展を遂げるためには、何が必要なのでしょうか。可能性と課題を探ります。
河野 まゆ子執行役員 地域交流共創部長
地域と学生をつなぐ「大学生観光まちづくりコンテスト」
「大学生観光まちづくりコンテスト」*は、大学生がチームを組んで地域活性化のための『観光まちづくりプラン』を作成して競い合うコンテストで、JTB総合研究所が事務局となり、2011年から開催しています。 地域が元気になるためには、人々の交流が大切と言われますが、目に見えてヒトが動くだけでなく、“目には見えにくい”「こころが動く」ような地域への愛着をもつ人々の存在を増やすことも大事です。本コラムでは、「大学生観光まちづくりコンテスト」を通じた地域との関係づくりについて考察します。
斎藤 薫主任研究員
日本におけるアドベンチャーツーリズムの可能性
アドベンチャーツーリズムという言葉で、みなさんはどんな光景を連想するだろうか。北海道でのカヌー体験、関東近郊でのラフティングやバンジージャンプといった自然の中で楽しむスポーツアクティビティやキャンプといったアウトドア体験を思い起こす人が多いのではないかと思う。実は今、海外では、日本によくある数時間で数千円のオプショナルツアー的なプログラムではなく、終日~数日間かけて、カヌー、トレッキング、グランピングなどのアクティビティを本格的に楽しむプログラムが多数あり、富裕な欧米人に支持され、高額だが付加価値の高いタイプのアドベンチャーツーリズムとしてマーケットが確立している。当社は、国内ではあまり知られていないこういったスタイルのアドベンチャーツーリズムが日本の観光政策や地域活性化を進めるうえで、「質の向上」に大きな貢献を果たすと考え、関係者と日本アドベンチャーツーリズム協議会を設立することとした。本文では、筆者は設立準備に携わるメンバーの一人として、日本におけるアドベンチャーツーリズムの可能性について考察したい。
國谷 裕紀主任研究員
これから観光産業の変革を促すSDGsの考え方とは?
最近「SDGsへの取り組み」「SDGsへの貢献」など、SDGsという言葉を耳にすることが多くなりました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(サステイナブル・デベロップメント・ゴールズ)」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。次世代にこの美しい地球を手渡していくために、地球全体で決めたSDGsという新しい考え方、ルールが今、必要とされています。観光、ツーリズムの世界もこれに基づき未来を描いていくことが重要です。本コラムではSDGsの考え方や背景、観光のSDGsへの貢献等を示しながら、なぜSDGsの考え方が観光にとって大切なのかを考えていきたいと思います。
熊田 順一主席研究員
世界遺産の裏に隠された土着的な価値の活用と伝達こそが地域の命題~「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録に際して~
6月30日に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されました。世界遺産への登録で注目が集まり、来訪者が増えることが期待されますが、世界遺産に関わらず教会などの関連資産が信仰の場として日常的に機能しているため、同地域に来訪者が集中し、多大な負荷がかかる懸念もあります。そのために地域ではどのような取組が行われているのでしょうか。世界遺産登録を契機として観光客に地域の個性を伝え、見学者の来訪を遺産の維持管理に役立てていくために、更に一歩踏み込んだ文化遺産活用に向けた対策が期待されます。
河野 まゆ子執行役員 地域交流共創部長
【特別寄稿】「信頼による観光」と私たちの働き方
生活の中に様々なデジタル技術が広がり、私たちのくらしやコミュニケーションの形も大きく変わりました。一方で、あえてリアルな体験やアナログなものを大切にしたいという気持ちの高まりも感じられます。本コラムは、コミュニティデザイナーである山崎亮先生に、地域の人々と都市の人々とのつながりの中で、信頼関係をどのように醸成していくのか、そのヒントをまちづくりや地域づくりの視点からいただいたものです。(JTB研究レポート2018「旅と生活の未来地図」への特別寄稿として掲載した内容を再掲)
山崎 亮studio-L 代表/コミュニティデザイナー