前年比159.9%増の利用者
2013年お盆期間のLCCの搭乗者数は約25万人、前年比159.9%増と大幅に増加
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今年の夏は猛暑や大雨などのニュースもありましたが、昨年以上に多くの方が旅行に出かけたものと思います。国内航空会社各社が発表した、この夏のお盆期間(8月9日(金)~18日(日))の利用実績は、搭乗者総数が約380万人と前年に比べ10.4%増加しました。
この航空利用者数の増加には、LCC(低コスト航空会社;ここでは特に断りの無い限りPeach Aviation、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの3社を指す)の就航も影響しています。当社が今年7月に実施した「国内線LCC利用者の意識と行動調査」では、回答者の46.5%が“国内線LCC就航がきっかけ、理由で国内旅行をした”と回答していました。そして、この夏のお盆期間のLCCの利用状況をみると、搭乗者数は約25万人、前年比159.9%増と大幅に増加、さらに、他の航空会社もほとんどが前年比プラスとなっています。LCCが登場した当初は、LCCが他の航空会社のシェアを奪うのではないか、との声も聞かれましたが、この夏のお盆休みに関しては、全体的な航空利用増への影響が数字にも表れたものと考えられます。
国内線LCC就航以降の長期休み(ゴールデンウィーク(G.W.)、お盆休み、年末年始)の、LCC利用者比率※の推移をみても、2012年G.W.ではわずか1.3%でしたが、その後着実に増加し、この夏は6.5%となりました。LCCは確実に存在感を増しています。しかし3社全てが当初の想定通りに進んでいる訳ではありません。国内LCCのひとつであるエアアジア・ジャパンは、11月より「バニラ・エア」に社名を変更し、12月から新たにスタートすることを発表しました。同社は成田空港を拠点として、レジャーの国際線を中心とした事業を展開していくとしています。また、中国の低コスト航空会社である春秋航空の日本法人「春秋航空日本」が、来年5月末に日本国内3路線(成田-高松、成田-広島、成田-佐賀)を就航すると発表しました。今秋のPeach Aviationの成田-関空路線の就航など、他の2社の更なる路線拡大も含め、国内LCCの新たな展開が期待されるところです。
※国内航空会社利用者÷LCC利用者。国内線・国際線の合計