5年ぶりに増加の見通し

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2013年冬のボーナス、5年ぶりに増加の見通し
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金融各社まとめ

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金融各社が今月まとめた2013年冬のボーナス見通しでは、対前年伸び率+0.4%~+1.4%程度と、いずれも増加が予測された。

依然として厳しい状況が続く電気・ガス業は減少、円安の影響がコスト増につながった製造業では横ばいにとどまる見込みだが、住宅市場の活況や情報通信業の伸びなどが平均を押し上げた。ボーナス支給は大企業だけでなく中小企業にも広がる動きが強まるとの見方もあり、ボーナス増による消費の活性化が期待される。

株価が上昇傾向にあり、高額品の売れ行きも良いことなどから、金融資産を多く持つ富裕層やシニア層に注目が集まりがちだが、決して若い世代が旅行離れをしているわけではない。年代別の出国率(出国者数を人口で割った数字)を見ると、20代の出国率は2008年以降増え続け、2012年では22.8%と全年代で一位だった。また、JTB総合研究所が今年5月に実施した調査では、今年旅行へ行く費用を増やす理由として「ボーナスが上がったから」という回答が他の年代に比べ20代で多く、賞与の増加が若い世代の旅行意欲を増加する傾向が見られた。まだ子供の教育費や住宅ローンなどに縛られることが少ない分、所得の増加は他の世代よりもストレートに消費へと繋がるのだろう。

今年は年末年始の日並びも良く、冬のボーナスの増加が若い世代の旅行を後押しする可能性は、大いにありそうだ。

旅行へ出かける費用を増やす理由、減らす理由

東日本大震災後の生活行動や消費の変化と東北旅行に関する調査―震災から2年を経過して―(2013年5月調査より)