アジア太平洋地域6%の伸び

印刷する
2013年アジア太平洋地域の国際観光客到着数、6%の伸び
Source
UNWTO(世界観光機関)/国際観光客到着数(2013年)

数字を
読み解く

UNWTO(世界観光機関)が発表した2013年の国際観光客到着数は、前年比+5.0%(5,200万人増)の10億8,700万人と過去最高を更新した。UNWTOは、国際観光客到着数の伸びを2010年から2020年の長期予測で年+3.8%としているが、2011年+4.9%、2012年4.0%、そして昨年+5.0%といずれもこれを上回る伸びとなっている。2014年の伸びも+4.0~4.5%と予測されており、世界の旅行者数が予測を上回るペースで増加していることがわかる。

2013年の地域別国際観光客到着数は、アジア太平洋は2億4,770万人(前年比+6.0%)、ヨーロッパ5億6,280万人(同+5.4%)、アメリカ1億6,880万人(同+3.6%)、アフリカ5,610万人(同+5.6%)、中東5,190万人(同+0.3%)。アジア太平洋は、規模でみればヨーロッパの半分程度ではあるが、伸びは最も大きく、2014年の伸びも+5.0~6.0%と、他地域に比べ堅調な増加が予測されている。

日本を訪れる外国人旅行者数は、当面の目標であった1,000万人を昨年達成した。アジア太平洋での堅調な増加は今後の日本にとって追い風とはなるが、これがそのまま日本の増加につながる訳ではない。例えば東南アジアの国際観光客到着数は2011年+10.7%、2012年8.7%、昨年+10.0%と大きな伸びをみせており、韓国は昨年1,218万人の外国人旅行者を受け入れており、国際的な競争は今後ますます激しくなるだろう。また、日本を訪れる外国人旅行者が増えることで、宗教上の理由で豚肉を食べないムスリムの方々、時間に大らかなラテン系の方々など、これまでの外国人旅行者とは異なる行動・嗜好の方々も増えていくと思われる。訪日外国人旅行者数2,000万人を目指すにあたっては、単なる量の拡大への対応だけでなく、こうした多様化するマーケットに適切に対応し、また来たい、友人に勧めたいと思ってもらうための質の向上への取組みがますます重要となる。

出典:UNWTO(世界観光機関)