5つのタウン誌が地域を超えて連携

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長野、新潟、富山、石川、福井の5県でタウン誌を発行する出版社5社が連携し、新しい情報誌「Rural(ルーラル)」を発行
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FavoGroup「Rural創刊のお知らせ」

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北陸新幹線が開業から1年を迎えました。JR西日本によれば、新幹線の利用者数は、開業前の特急列車の利用者数に比べておよそ3倍に増えたということです。新幹線でつながった地域では新しい連携が生まれています。

長野、新潟、富山、石川、福井の5県でタウン誌を発行する出版社5社が連携し、新しい情報誌「Rural(ルーラル)」を発行することになりました。それぞれの地元の情報を集めて共同で編集し、北陸新幹線の開業1周年に合わせて今月下旬に発売されます。

タウン誌はもともと地元の生活者のために制作され、地元で販売されてきました。掲載されるお店の新しさや、地元で評判のお店の紹介、地元ならではの面白いテーマの特集記事などは、今までのガイドブックでは飽き足らなくなった、地元の生活に触れてみたいという旅行者にとっても魅力的な内容といえるでしょう。

ところで、全国で発行されるタウン誌を電子書籍という手段で結びつける新しいサービスが誕生しています。2014年にサービスを開始したJTBパブリッシングの たびのたねは、旅行ガイドブックや観光地を特集した雑誌、日本全国各地の出版社が発行するご当地本を購入できる電子書籍サービスです。テーマや特集ごとの「抜粋版」では、各出版物の読みたい部分だけの購入や、自分だけの「オリジナルガイドブック」の製作も可能です。ガイドブック利用者の「あの地域の情報だけ欲しい」「あの特集や連載企画だけが読みたい」という声に電子書籍というツールで応えた商品です。ICTの進化があればこそ生まれた商品と言えるでしょう。

旅行者側もありきたりの観光でなく生活者と同じ目線で旅を楽しみたいという人が増えてきました。JTB総合研究所が訪日外国人に聞いた調査タイ人の旅行とライフスタイル~今後1年以内の日本への観光旅行予定者への調査~(2015年9月15日発表)でも「日本の日常生活に ふれたい」という回答が上位を占めるようになり、観光地を回るだけでなく、日本人と触れ合う中で、日常生活を感じてみたいと考える人が多くなってきています。

Webを通じて簡単に情報が取得できる時代ですが、タウン誌には単なる情報の羅列ではない、それぞれの地元の出版社がこだわりぬいて編集した記事の魅力があります。
「Rural(ルーラル)」と「たびのたね」に共通するのは、各社がこだわって編集してきた記事を消費者の価値観や行動の変化に合わせて「新たに編集しなおす」ことです。
地域をつなげて周遊することで、それぞれの地域の違いによる魅力の発見や、地元目線の魅力が加わることになり、新しい旅の楽しみ方や、地域を訪れたくなる気持ちを盛り上げることにもつながります。


<「たびのたね」HPより許可を得て掲載>