10分1000円、NYへ

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ヘアカット専門店「QBハウス」は“10分1000円カット”でNY進出

ヘアカット専門店「QBハウス」は“10分1000円カット”でNY進出

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ヘアカット専門店「QBハウス」を展開するキュービーネットホールディングス株式会社(東京・渋谷)の米国子会社は、2017年夏を目処に米ニューヨーク・マンハッタン地区に、初の欧米出店をすると2016年末に発表しました。

QBハウスといえば「10分の身だしなみ」として、10分1000円カット(※)メニューのみで駅ナカや大型商業施設内を中心に出店をし、予約の必要なし、カット後のシャンプーなし、お会計の手間を省くために券売機を設置するなど、従来の理美容室とは全く異なる「短時間・低価格・高利便性=10分1000円カット」という価値観の提案で、男性を中心に人気を博しています。
国内の出店数は500以上。2002年にはシンガポールで海外初出店を果たしました。現在、シンガポール・台湾・香港に合計100以上出店し、なかでも香港では現地最大手の理美容室になっています。海外を含む年間利用者数は1,800万人に達し、2年後には来店客の海外比率を3割まで高めることを目標としています。

初の欧米出店となるマンハッタン地区には順次3店舗を出店予定です。価格は10分15~20ドルを予定。同地区には現在約440の理美容室があり、中心価格帯は25~50ドルのため、QBハウスは同地区での最低価格帯となります。「10分の身だしなみ」という新しい価値観は、ニューヨークで受け入れられるでしょうか。

QBハウスの10分1000円カットは、安さの提供だけでなく「時間を短くする」という時間的価値を提供しているとみることができます。理美容室を予約する手間や時間、競争激化の中でこれまで付加価値として提供されていた、カット後のシャンプーやマッサージなどのあらゆるサービスをあえて省略するという新しい付加価値(=新しい価値観)が、利用者の心を動かしました。
販売台数を伸ばしているお掃除ロボットは、留守中に動かしておく利用者も多く、これまで掃除に費やしていた時間を他の時間に充てることが出来るようになりました。10分1000円カットとは違い費用はかかりますが、「時間に投資する」という価値観で現在のヒットにつながったと考えられます。
一方、無駄な時間だと捉えられがちな移動が、「時間を楽しむ」という価値になることもあります。クルーズトレインのように、いつもは時間をかけない移動に時間を費やすことで、非日常感を味わうことができます。
また、シェアリングエコノミーの広がりで個人の空き時間を他者に提供するビジネスも出てきています。

「時間の価値」に重点をおいた経済活動は、わたしたち一人ひとりが時間に対してどのように価値を定めていくのか、改めて考えてみるきっかけになりそうです。
(※)文中の価格は税抜の表記です。

画像提供:キュービーネット株式会社