質問認識率89%、回答結果に対する顧客満足率94%
LINEの法人向けカスタマーサポートサービス「LINE Customer Connect」の「LINE Pay」での試験運用、質問認識率89%、回答結果に対する満足度94%
数字を
読み解く
2017年春に本格稼働を目指すLCCとはなんでしょうか?格安航空会社のことではありません。LINE株式会社が提供する法人向けカスタマーサポートサービス「LINE Customer Connect」の略称です。
このサービスでは、企業のウェブサイトおよびLINE公式アカウントからの顧客の問合せに対し、AIで自動対応をすることが可能となります。AIを活用した応対機能はチャットボットとも呼ばれますが、顧客側にとっては混雑や時間外対応への不満が軽減され、企業側にとっては人による対応を補完し、顧客満足度を上昇させるなどの効果が期待できます。
LINEは本格公開を前に、2016年夏から試験運用を開始しましたが、「LINE Pay」の公式アカウントにおいては、2016年11月時点で質問認識率89%、回答結果に対する満足度は94%に達したと発表しました。
2016年春には、同様のチャットボットサービスであるFacebookの「M」をKLMオランダ航空が導入し、話題となりました。KLMオランダ航空に関するSNSでの発言は週に10万、お問合せだけでも週に1万5千件に上る対応に苦慮していましたが、導入の結果、短時間に多くの問い合わせ対応が可能となり、人間のオペレーターはより重要で難易度の高いお問合せに対して、時間をさけるようになるなどの効果が表れています。
また、一人一人の顧客の立場に立ってみると、飛行機を利用する機会が頻繁な人は多くありません。利用頻度がせいぜい年に1~2回とすると、航空会社のアプリを立ち上げる頻度もそう高くはないと考えられます。航空会社としては一度利用してもらってから、次の利用につなげるまでの期間、どのように顧客と接点を持ち続けられるかが課題となっていました。KLMオランダ航空では、予約購入やお問合せの際だけでなく、普段から友人とチャットアプリでおしゃべりをするように、AIとチャットできるサービスを提供することで、顧客との関係性を深められるとしています。
ロボットがフロント対応をする「変なホテル」なども話題となっていますが、今後は、ウェブやSNSだけでなく、リアルな店舗などでもAIと人とが役割分担をし、人はより高度なサービスに特化していく動きと共に、KLMの事例やロボフォン(携帯電話型ロボット)のようにAIが友達やパートナーのような役割を果たすことで企業と顧客とをつなぐ動きが加速しそうです。