「わたしの100歳」、考えませんか?

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個人も企業も考える。人生を固定化させない生き方を

個人も企業も考える。人生を固定化させない生き方を

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平均寿命が100歳となることが全くの夢物語ではなくなってきているようです。一説によると、2045年には平均寿命100歳時代がくるとの予測もあります。WHOが発表している統計では、日本は20年以上世界一の長寿国です。2017年3月現在の日本人の平均寿命は男性が80.75歳、女性は86.99歳で過去最高を更新しています(厚生労働省発表)。

寿命100年時代がくることを予測し、その時代を生き抜くヒントを書いた「ライフシフト 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社)という書籍が話題になっています。この著者であるリンダ・グラットン氏は同書の中で、寿命100年時代には「無形資産」が大切だといいます。この無形資産とは、(1)「生産性資産」仕事に役立つスキルや知識などの資産、(2)「活力資産」それぞれの人に肉体的・精神的な幸福感と充実感を持たせ、前向きな気持ちにさせてくれる資産、(3)「変身資産」人生の中で新ステージへの移行を成功させる意思と能力の資産の3点です。これらの目には見えない無形資産を増やすことが、100歳まで生きる人生を豊かにすることにつながるといいます。

やがて来る寿命100年時代に対して、グラットン氏の提唱を意識しているかのような企業があります。富士フィルム株式会社です。同社は100歳まで生きたいと思える社会の実現に、これまで培ってきた技術力をどのように提供するかということを、「100歳」というキーワードで展開しています。「美白の100歳。日傘のいらない世界をつくる。(=ライフサイエンス事業の予防分野)」、「学ぶ100歳。アルツハイマー病を世界からなくす。(=医薬品事業のアルツハイマー分野)」、「耕す100歳。いつまでも膝が元気な世界をつくる。(=再生医療事業・膝軟骨の再生医療技術分野)」と、3つの分野で横断的に取り組みを進めています。これらの技術力は、肉体的・精神的な幸福を持たせる活力資産を増やすことはもちろん、健康寿命の延伸にも貢献し、その結果他の無形資産も増やすことを可能にするでしょう。

以上を踏まえ、わたしたちが考えなければならないのは「生き方」についてではないでしょうか。100歳まで生きることを前提に今を生きることは現実的ではないかもしれませんが、わたしたちは年齢に関するステレオタイプな発想を取り払い、人生を固定化させない多様な「生き方」を検討していかなければなりません。富士フィルムのような企業による取り組みも大切ですが、一人ひとりが様々なことに興味を持ち無形資産を増やすことも健康寿命を延ばすことにつながると考えられます。無形資産は家庭や仕事における人付き合いや読書、あるいは旅行など五感で感じるリアルな体験など、様々ものから得られるでしょう。その可能性は無限です。100歳まで健康で豊かに過ごすためにも、選択肢を狭めずに「わたしの100歳」のロードマップを考えてみませんか?

(みや)