38.7%が「菜食主義」と回答

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米国ミレニアル世代の38.7%が「菜食主義」

米国ミレニアル世代の38.7%が「菜食主義」
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不二精油グループ

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日本ではここ数年、肉ブームと言われています。内閣府の調査によると、1人当たりの肉類の年間消費量は平成28年度に31.6kgを記録し、平成14年度の28.4kgから11%増加しているということです。しかし、今、世界では、欧米を中心として、菜食ブームがはじまっていることをご存知でしょうか。調査会社Global Dataの報告によると、米国では2014年に消費者の1%だったベジタリアンが2017年には6%に増加しています。またポルトガルでは過去10年間で菜食を中心にする人が4倍に増加したという研究報告もあります。この世界的な傾向はミレニアル世代が牽引しているといわれています。
 一口に菜食主義といっても、菜食の頻度や食べない食材などによってさまざまです。基本的に肉や魚を一切口にしない菜食主義者である「ベジタリアン」という言葉は日本でもよく知られていますが、「ベジタリアン」の中でも乳製品や卵の摂取などによりさらに細かいタイプに分かれます。肉や魚だけではなく、卵やハチミツなど動物性食品を食べない「ヴィーガン」も世界的に増えています。
 2018年に不二製油グループ本社株式会社が実施した調査によると、米国ミレニアル世代の38.7%が自身を菜食主義者であると回答しました。さらに、ミレニアル世代の中では菜食を好むが、特に制約を決めず肉や魚も食べる柔軟な菜食主義者「フレキシタリアン」という考え方が増えています。先述の調査によれば米国ミレニアル世代の16.6%がフレキシタリアンであると答えており、菜食主義の中でも一番多いタイプとなっています。
 一方で日本人の意識はどうでしょうか。「肉フェス」の開催や「熟成肉」ブームなど、赤身肉の広がりを一端とし、肉が注目を浴びていますが、だからといって日本で菜食主義が浸透していないわけではありません。先ほどの不二製油グループ本社のアンケートによれば、日本人の34.0%が「植物性食中心のライフスタイルに興味がある」と答えており、ミレニアル世代だけに着目するとその数字は40.0%に上がります。また、最近ではニュースアプリやコラムでも「野菜」や「グルテンフリー」など、肉以外の健康に目を向けた記事を多く目にします。肉ブームと菜食主義は対極にある概念ではなく、菜食主義とまではいかなくても、自身の身体や考え方にあわせてバランス良く食事をとり、健康的な生活を送りたいと考えている人が増えているのではないかと考えられます。(じん)