1131億円のセキュリティ費用

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2018年におけるセキュリティ保持に要する総費用は全世界で1131億円に上ると推計

2018年におけるセキュリティ保持に要する総費用は全世界で1131億円に上ると推計
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Gartner

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インターネットの先にひかえる膨大な数の消費者の獲得を目指し、多くの企業がIoTの活用を進めていますが、ネットでつながることは、同時にサイバーアタックの標的となるリスクを増やすことにもつながります。Gartner(アメリカの調査会社)によれば、過去3年以内に攻撃を受けた世界の企業は約20%、セキュリティ保持に要する総費用は2018年には1131億円(対前年比28%増)に上ると推計されました。

2018年5月、欧州でGDPR(EU一般データ保護規則)が施行されました。GDPRでは個人情報の処理や移転に関して細かい規定や高額な罰金が設定され、多くの企業がその対応に追われました。施行後すぐにFacebookとGoogleが提訴され、もし認められればそれぞれ5000億円近い罰金が科せられるというニュースが駆け巡ったのも記憶に新しいところです。しかし各企業の対策が万全かというと、必ずしもそうではないようです。アメリカのIT関連企業Talendが世界の企業103社へ調査をしたところ、98%はGDPRに準拠すべくプライバシーポリシーを改定していたものの、GDPRに基いた顧客からのデータ提供の要望に規定の30日以内に返答できた企業は全体の30%に留まり、最も返答率が高かった金融部門でも50%という結果でした。

世界の観光産業は今後、大きな成長が期待されている分野です。日本も特にインバウンド市場におけるここ数年の成長は目覚ましく、2018年8月までの累計で対前年比12.6%増、史上最速で2000万人を超えました。

IoTは今後の観光産業を大きく変える存在です。例えば、ホテルのチェックインをスマホですます、家にいるような環境(温度や灯りなど)を宿泊施設の部屋で再現できる、IoTによる輸送機器のメンテナンス管理で安全性が向上するなど、旅行も大きく変わるでしょう。セキュリティの面において、世界に先んじているとは言い難い日本ですが、技術開発が得意な日本にとって、IoTの進化は悪いことではありません。なぜなら、前述した調査結果も示す通り、まだセキュリティへの対応を完璧に整えている国は世界中のどこにもないからです。大切なのは、その重要性を認識し、常に備える意識を持つことです。「人」がすべての基本となる観光産業においては、特に忘れてはならないものなのではないでしょうか。

(エド)

Source: Gartner, Statista, WTTC, https://president.jp/articles/-/25982