13,800平方メートル(東京ドームのグラウンドの広さとほぼ同じ)
2019年7月29日にオープンした「Pasar蓮田」(蓮田サービスエリア上り線)の敷地面積
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- 東日本高速道路株式会社ニュースリリース
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ETC(Electronic Toll Collection System)は有料道路の料金所で停車することなく通行料を自動収受できるシステムで、2001年に導入されました。現在は、高速道路におけるETCの利用率は90%を超え、料金所での渋滞が緩和され、また利用促進のために高速料金を割り引くETC割引も広がっています。
ところで、世界で最初に自動料金徴収システムを導入した国はどこでしょうか。それはイタリアです。イタリアでは1989年にはテレパスという無線式自動料金収受システムが導入されています。まだ日本にETCが導入されていない頃イタリアに行き、自動徴収システムを初めて見たときは驚きました。イタリア人に、「日本にはこのような仕組みはまだ導入されていないのに、イタリアはすごいね」と話したら、「道を通る人からお金を取るのは、ローマ時代からイタリア人の得意技だからさ」というユーモアに富んだ答えが返ってきました。
古代のローマ街道は主要都市間を結び、幹線道路だけで約8万6千km(地球2周分)あったそうです。紀元前300年頃から軍用道路として、なるべく直線的なルートで、馬車がすれ違える十分な道幅があり、水はけも考慮し、重機が通っても轍ができないように堅牢に造られました。領地によっては通行税が徴収されたものの、人々も自由に行き来ができたので、物資の運搬路としての役割も果たし、帝国各地とローマを結ぶ動脈としてローマ市民の生活を支えました。街道沿いには宿泊や飲食が可能な場所、さらには馬車の修理や馬の交換もできる休憩施設もあったそうで、ローマ街道はまさに古代の高速道路と言えました。
現代のイタリアの高速道路にも休憩施設があり、その地域ならではのお土産も買うことができます。ワインなどのアルコール類も販売しているのはイタリアらしいです。ただ、高速道路上の休憩施設(日本でいうサービスエリア。以下SA)に関しては日本に軍配が上がりそうです。誰もが使いやすいようユニバーサルデザインに配慮された施設や、常に清潔に保たれているトイレ、充実した飲食店は海外からも絶賛されています。従業員の教育にも熱心で、SAで働くスタッフを対象とした「接客コンテスト」を定期的に実施するなど接客技術の向上にも取り組んでいます。また海ホタルSAのように観光地となったり、諏訪湖SAの「ハイウエイ温泉諏訪湖」や、浜名湖SAの季節限定の遊覧船「海の湖 船めぐり」など単なる高速道路利用者の休憩する場所から楽しく滞在する場所になったりしています。
2019年7月にオープンした東北道の休憩施設「Pasar蓮田」では大規模災害時には防災拠点となるほか、多彩な飲食店とファッション、雑貨店が出店しているだけでなくスーパーマーケットのような地元の農産物を扱う八百屋から精肉店、鮮魚店も入っています。一般車道側にも駐車場が設けられ蓮田駅からはシャトルバスも運行されているので近所の人も気軽に利用でき、「道の駅」のように地域振興にも一役買うことが期待されています。「Pasar」とは「パーキングエリア」の“PA”、「サービスエリア」の“SA”、リラクゼーションの“R”を組み合わせたもので、インドネシア語で「市場」を意味しており休憩施設の新しい形として、「旅の途中に立寄ってほっと一息つける場所」、「旅の途中で楽しく過ごせるにぎわいの場」をお客さまに提案していきたいとの思いを込めているとのことです。(出典:2019年6月26日 東日本高速道路株式会社ニュースリリース)
鉄道では駅構内に様々な店舗が立ち並ぶ「駅ナカ」というスタイルが定着しており、日本の鉄道システムと共に駅構内開発や運営ノウハウが海外に輸出されています。日本の高速道路会社も高速道路の建設、管理運営のノウハウなどはすでに海外に輸出していますが、これからは高速道路上の休憩施設が「道ナカ」として海外に輸出されていくかもしれません。
(かつお)