76.1%の人が「罪悪感を感じる」
日本人の食事と罪悪感に関する調査で、約8割である76.8%が「食事をするときに罪悪感(ギルト)を感じる」と回答しました。
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日本人の食事と罪悪感に関する調査で、約8割である76.8%が「食事をするときに罪悪感(ギルト)を感じる」と回答しました。調査をしたのはAI料理カメラアプリ・スナップディッシュを運営するヴァズ社、協賛はマルコメ社です。おいしい食事はしたい一方で、健康やダイエットのことを考えると、カロリーの高いものや脂っこいもの、スイーツなどを食べたときに、罪悪感があるというのです。本来楽しいはずの毎日の食事に、罪悪感を覚える人がこれだけいることは驚きです。
スイーツをはじめカロリーの高い食品への罪悪感が払拭されるという意味の、“ギルトフリー”という言葉が最近話題になっています。“ギルトフリー”料理といった使い方で、原料を工夫することで低カロリー・低糖質であること、添加物・化学調味料不使用、グルテンフリーであるなどを実現し、健康やダイエットに対する罪悪感を少なくするための工夫として使われています。調査では『ギルトフリー料理によりいつもより食事を楽しむことができた』という回答者が85.3%となっています。
ギルトフリーな「食材」として近年世界中で注目されているのが、肉の代わりに大豆でつくった大豆ミートや大豆粉です。健康に気を付ける人やベジタリアン向けの食品として、日本でもここ数年複数の企業が生産・販売を開始しています。中でも味噌を中心とした発酵食品を製造しているマルコメは大豆に関する知見を活かし、早くから大豆ミートの開発に着手し、2015年以前は下ごしらえする手間が必要だった乾燥タイプの大豆ミートに代わる、レトルトタイプを開発しました。現在では乾燥・レトルト・冷凍タイプに加え、料理の仕上げにちょっと使えるサラダチップタイプ、簡単に麻婆豆腐などの料理ができる惣菜の素シリーズも展開。大豆粉をつかったスイーツ粉やカレールーなども販売しています。同社が運営するダイズラボというサイトでは、大豆ミートや大豆粉を使った豊富なレシピを掲載。から揚げやハンバーグなどが大豆ミートでみごとに再現され、大豆粉を使ったお菓子のレシピなどもあります。同社は過去にもだし入りみそや1杯分のみそ汁がつくれる液体タイプなども他社にさきがけ開発。常に自社の強みを生かしながら、時代のトレンドと消費者のニーズをつかんだ商品開発にこだわる姿勢で2018年には過去最高の売り上げを記録しています。
一方で食事を楽しむためのギルトフリーを取り入れすぎてしまうことで、原料や料理のメニュー、お店選びの選択肢が狭くなり、結果的に窮屈になってしまう可能性もあります。楽しみがあってこそ、習慣は続けられるもの。“ギルトフリーからフリー(自由)になる日”もメリハリをつけるためになのかもしれません。過去の調査では、半数近くの人にとって“旅行は豪華な食事”を実施する絶好の機会という結果があります。旅行先ではカロリーやスイーツを気にせず味わいたいものですし、山形県かみのやま温泉などで行われている、温泉と旬にこだわる食事とウォーキングで“楽しみながら健康になる”クアオルトというプログラムでも、食事と合わせて少量ならお酒もOKです。旅行中や特別な日は、ギルトを気にせず自由に食事ことがリフレッシュとなり、心身の健康につながるのかもしれません。
人によって何に対して罪悪感があるかは異なります。大切なのは各自が自身の心身と向き合い、自分が罪悪感を覚えることは何かを知ること。そして食事に対して多様な考え方や対処の方法がある今の時代だからこそ、自分の好みや体の状況、ライフスタイルに合った食事方法を選択し、罪悪感のない食事をして毎日をできるだけ楽しく過ごすことが現代人の健康維持には大切なのかもしれません。そして時代によって変化する消費者のニーズに応えていく企業こそ、いつの時代も生き残っていくのではないでしょうか。
<参照情報>
約8割が「食事で罪悪感を感じる」と回答した日本の食卓に救世主!世界中で話題の大豆ミートが、日本の家庭料理でも罪悪感を減らす「ギルトフリー食材」として活躍中
マルコメの研究開発(マルコメ株式会社)
ダイズラボ(マルコメ株式会社)
食と旅に関する調査(株式会社JTB総合研究所)
山形県・かみのやま温泉 クアオルト(上山市観光物産協会)