2割以上が「興味あり」と回答

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外出自粛が要請されてから『オンライン飲み会を経験した』人の割合は4.1%でした。『実施していないが興味がある』と答えた人と合算すると26.9%となり、関心がある人は一程度いそうです。ある調査によればオンライン飲み会の経験者のうち、約7割が「良かった」と回答しており、外出自粛が長引けば経験者も増えそうです。

外出自粛が要請されてから『オンライン飲み会を経験した』人の割合は4.1%でした。『実施していないが興味がある』と答えた人と合算すると26.9%となり、関心がある人は一程度いそうです。ある調査によればオンライン飲み会の経験者のうち、約7割が「良かった」と回答しており、外出自粛が長引けば経験者も増えそうです。
Source
株式会社エアトリ社「オンライン〇〇」に関するアンケート調査、調査対象:20代以上の男女969名、調査期間:2020年4月19日~4月21日、調査方法:インターネット調査

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新型コロナウイルスの拡大による緊急事態宣言により、外出自粛や移動の制限、休校や店舗などの営業自粛という、現代人が体験したことのない状況が起きました。直接人と会うことが難しくなり、代わりにインターネットを利用したビデオ通話によるコミュニケーションが、広がりつつあります。背景には、誰もがスマホを持ち、大容量データ通信が普及し、便利なツールが登場し、低コストで済むという、ビデオ通話を誰でも、いつでも、簡単に始められるデジタル環境が整っていたことがあります。外出自粛をきっかけに高頻度でビデオ通話を行っている人も多いのではないでしょうか。

ビデオ通話の利用シーンは、外出自粛になる前は、仕事上の会議や打ち合わせ、遠く離れて暮らす家族や友人とのコミュニケーション、あるいはデジタルに慣れ親しんだ人たちの交流などが主流でした。外出自粛になってからは、オンライン飲み会や映画観賞会をやっている話をよく聞きます。前後の違いをみると、これまではコミュニケーションをとること自体が目的であるかのようですが、外出自粛下では、それぞれの空間で、それぞれが好きなものを食べたりしながら、会話や映画を一緒に楽しむ、という時間を共有するための手段になっているようにも思えます。帰宅の必要がなく、エンドレスになる場合があるのもその表れではないでしょうか。

エアトリ社が4月中旬に行った調査では、外出自粛が要請されてから『オンライン飲み会を経験した』人の割合は4.1%でしたが、『実施していないが興味がある』と答えた人と合算すると26.9%となり、関心がある人は一程度いそうです。またオンライン飲み会の経験者のうち、約7割が良かったと答えていました。外出自粛が長引けば経験者も増えそうです。

このような外出自粛中のコミュニケーションに慣れていく中で、ふと、自粛前までに直接会っていた人たち全員と、同じ頻度でコミュニケーションを取っていないことに気づきました。物理的には誰とでもコミュニケーションを取れるはずですが、オンラインでも会いたい人たち、会わなくなっても困らない人たち、やはりオフラインで会いたい人たち、そして逆にオンラインだから会うようになった人たちなど、無意識に変化が起きているのです。

オフラインが前提であった飲み会がオンラインになることで、物理的に離れていたり手が離せない子育て中の親など、これまで環境都合で参加しづらかった人たちにとっては参加のハードルが下がり、疎遠だった友人知人とコミュニケーションが増えた話も聞くようになりました。また積極的にネットワークを広げたい人にとっては、オンライン店舗訪問、異業種交流会、お見合いサービスなど、オンラインだからこそ気軽に幅広く参加できる方法も増えてきています。一方で関係性やその人の性格によっては、オンラインではなくオフラインの方が心地よい人や、逆に親しくない間柄の人に、自宅で過ごす時間を使いプライバシーを晒してまで、コミュニケーションを取るよりは、自分の時間を優先させて過ごしたいという人もいるようです。

このように考えると、オンラインは単なるオフラインの代替ではなく、各人が求めるコミュニケーションや価値観に合わせて、自分の裁量で相手や量を選択できるのが特性ではないでしょうか。私たちはコロナによって知ったオンラインの特性により、収束後は完全に元に戻るわけではなく、オンラインとオフラインの2つの特性を組み合わせながら、最適なコミュニケーションを取っていくようになるのかもしれません。

(な)