88日間で開催

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長野市・善光寺の「御開帳」は、コロナ禍において混雑を避けて拝観できるよう、開催期間を通常から1ヵ月延長して88日間で開催することになりました。

長野市・善光寺の「御開帳」は、コロナ禍において混雑を避けて拝観できるよう、開催期間を通常から1ヵ月延長して88日間で開催することになりました。
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善光寺ホームページ

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長野市の善光寺では、2022年4月3日から6月29日にかけて「御開帳」が行われています。御開帳は、ふだん姿を拝めない仏像(秘仏)を拝観できるようにする行事のことで、善光寺では絶対秘仏の本尊の写しである前立本尊が本堂に遷されます。前立本尊と結ばれた回向柱に触れると、現世のご利益と極楽往生がかなうとされています。御開帳はこれまで数え年で7年に1度(暦の上では6年に1度、丑年と未年が該当)行われてきましたが、2021年に予定していたものが新型コロナの影響により1年延期され、8年ぶりとなります。

2020年から2021年にかけては感染症対策が最優先され、御開帳を含めた多くの祭りや行事が中止や延期を余儀なくされました。しかしパンデミック宣言から3年目を迎え、「安全に配慮して開催する」イベントが増えています。たとえば博多どんたくは、オンライン配信を取り入れ、会場や周辺の混雑軽減を図っています。また、新潟県の長岡まつり大花火大会では、無料の観覧席をなくし、すべて有料席としました。東京・浅草の三社祭では、神輿の担ぎ手をはじめとする関係者に対してワクチン接種や検温などの健康管理を行った上で、開催期間と規模を縮小し、お神輿は台車に乗せて少人数で曳いて町を巡行しました。こうした感染症対策は、行事の本来の目的であるお祝いや祈りを、安全対策を取りながらどう表現するか、主催者側が悩みぬいた結果といえます。

さて、今年の善光寺の御開帳は混雑を避けるため、開催期間が例年の57日間からおよそ1ヵ月伸びた88日間となっています。ホームページで過去のデータをもとにした開催期間中の混雑予報を公開するとともに、リアルタイムでの混雑状況の配信やライブカメラによる現地の映像を配信するなど、混雑に関する様々な情報をきめ細かく提供しています。もちろん、境内ではマスク着用・検温・手指の消毒といった基本的な対策が行われています。
 善光寺はどの宗派にも属さない「全ての人々を受け入れる」寺であり、7年に1度しか行われない御開帳は多くの人々にご利益をもたらす貴重な機会です。この本来の目的と感染症対策を両立して御開帳を開催するためには、参拝者を減らすことなく混雑緩和を図る必要があったように推察します。

祭りや行事は地域の大切な文化であり、社会の変化に柔軟に対応しながら受け継がれてきました。感染症の影響で規模の縮小や開催方法の変更など形が変わることとなっても、祭り等に込められた祈りや地域が有する固有の文化などは変わることはないでしょう。(はし)

<参考>
善光寺事務局「善光寺 御開帳」
https://www.zenkoji.jp/gokaicho-info/
福岡市民の祭り振興会「福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり モバイルどんたく」
https://www.dontaku.fukunet.or.jp/
一般財団法人 長岡花火財団「長岡花火」公式ウェブサイト
https://nagaokamatsuri.com/
浅草神社奉賛会「三社祭公式情報」
https://www.sanjasama.jp/