95%が関心あり!

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95%の保護者が、「子どもに自然体験をさせたい」と思っている

95%の保護者が、「子どもに自然体験をさせたい」と思っている
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自然体験に関する保護者の意識調査(千株式会社/2023年)

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2023年の夏は、新型コロナウィルス感染症が第5類感染症に移行して初めての長期休暇ということもあり、各地でイベントの開催が再開されています。子どもを対象としたサマーキャンプや自然体験教室なども再開し、夏休みを活用した親子ワーケーションプログラムも各地で実施されています。
 千株式会社が2023年2月に発表した「自然体験に関する保護者の意識調査」では、子どもの自然体験に関心がある保護者は約95%にものぼりました。こうした保護者の意識や人流回復の動きから、近年は「親子ワーケーション」が人気です。これは、親子で地域を訪れて保護者が仕事をしている間、子どもは自治体等が実施するさまざまな体験プログラムに参加するというスタイルのワーケーションで、複数人が長期滞在することから交流人口の増加や経済効果への期待も高く、今後も地域の取組みは続いていくものと思われます。

一方で、イーラーニング研究所が2019年3月に発表した「学童・アフタースクールに関するアンケート調査」では、「子どもの放課後の過ごし方に不安がある」と回答した保護者は約6割で、その理由として最も多かったのは「子どもが安全に過ごせるか」で全体の86%にのぼりました。
 回答者の67%が共働き家庭であることから、保護者が不在の間に子どもの安全が確保できるかどうかは、親子ワーケーションを利用したい保護者にとって重要な判断基準であると推測できます。利用者が仕事に集中できる環境を整えるのはワーケーションの大前提ですが、親子ワーケーションの場合は保護者が不安なく仕事に集中できる環境条件としての子どもの安全を担保できるか、そのための経験値や資格を持った人員をどれだけ確保できるか、そして親子ワーケーションが地域にとっても有益かつ持続可能な仕組みであるかが、実施地域側にとっても課題であると考えられます。

このような課題を解決するひとつの親子ワーケーションの在り方として、株式会社キッチハイクが提供するのが「保育園留学Ⓡ」です。このサービスでは、親が仕事をしている間、子どもは地域の認可保育園や認定こども園などに1~3週間ほど一時預かり保育としての「短期留学」ができ、大自然の中で地域の子どもたちと一緒にのびのびと遊び、様々な体験をすることができます。保育施設なので子どもの安全面も確保されており、保護者も安心して仕事に集中できることや暮らし体験への期待が人気に繋がっているようです。
 このビジネスモデルは地域にとっても様々なメリットをもたらしています。1つめは遊休資産の活用です。同サービスでの留学先の一つである「認定こども園はぜる」は、北海道厚沢部にある唯一の認定こども園。同社ホームページによると、少子化の影響で定員120名に対し在籍園児は75%ほどでした。また町が移住促進のためにサービスを開始した移住体験用宿泊施設「ちょっと暮らし住宅」は、観光目的のシニア利用が多く、オフシーズンには空いたままになっていましたが、これら遊休資産を組み合わせて活用することで、新たな価値として利用が促進されているといいます。
 2つめは交流人口の増加と経済効果です。同社の調査によると、2021年11月から2023年5月末までに「保育園留学Ⓡ」を通じて地域を訪れた子どもは約330人で、地域全体で推計4,900人の関係性が生まれ、年間推計3500万円以上の経済効果がもたらされた地域もあったとしています。

筆者もこの10月、「保育園留学Ⓡ」で子どもと共に厚沢部を訪れる予定です。決め手となったのは、「子どもを預けても大丈夫という安心感がある」「だからこそ仕事に集中できる」「その上子どもに普段はできない体験をさせてあげられる」という3つの点。これらはいずれも親子ワーケーションをビジネスとして持続的な地域活性化に繋げていくために欠かせない重要な要素です。子供に自然体験をさせたいと考える親は多く、全国の各地域にそのポテンシャルがあるなかで、「親が子どもの心配をすることなく仕事に集中できる」という環境を整備することが、実施地域側にとっては必要不可欠なのかもしれません。(MM)
 
【出典】
千株式会社「自然体験に関する保護者の意識調査」
https://sencorp.co.jp/7653/
株式会社イー・ラーニング研究所「学童・アフタースクールに関するアンケート」(2019年3月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000013831.html
株式会社キッチハイク「保育園留学®白書」(2023年6月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000006899.html
株式会社キッチハイク:インタビュー/若い世代の関係人口創出に成功した北海道厚沢部町の取り組み
https://kitchhike.jp/works/assabu_interview
株式会社キッチハイク:北海道檜山郡厚沢部町認定こども園はぜる/保育園留学®
https://hoikuen-ryugaku.com/assabu