世界42地域のうちの1つ
岐阜県が世界42の持続可能な先進地域の1つになりました
- Source
- UNWTO
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2023年11月21日から23日にかけて、スペインのマドリッドで開催された、国連世界観光機関 (UNWTO)の総会において、岐阜県が日本としては初めてINSTO(持続可能な観光地づくり国際ネットワーク)の一員となりました。INSTOとは、「計測できないものは、改善できない」という考え方に則り、統計などのエビデンス・ベースの政策形成を実現するため、「地域のあるべき姿に向け、いかに観光を持続的に発展させるか」を地域レベルで議論するプラットフォームです。
2日間にわたる会議では、関連する様々な団体が一堂に会し、今後の迅速で合理的な意思決定体制・参加型アプローチ・適切なデータ活用などについて積極的な議論が展開され、地域の満足度や環境収容力(経済活動による負荷の上限)、観光による環境や地域社会への影響など、統計データに基づいた様々な施策が発表されました。
日本初となる岐阜県のINSTOへの参加は、日本の観光産業が持続可能な道筋へと進むための歴史的な一歩と言えます。
岐阜に加え、コロンビアのカリ、ポルトガルのセントロ地方、アイルランドの大西洋岸なども合わせ、INSTOの参加地域が全世界で42と広がりを見せたことは、持続可能性への世界の関心の高まりの現れでもあります。これからは、データ分析が観光政策を考える上で、必要不可欠な時代であるのです。
岐阜県では、観光国際部が主幹となり、継続的にとるべき11必須項目領域に加え、独自の指標として「文化の保存」と「自然環境の保存」を掲げました。県単位での参加により、日本の面積の2.8%にあたる10,621㎡が観測の対象となります。
今後、岐阜県で収集されたデータの活用により、いかに地域の環境や文化を守りながら、観光と地域経済の発展を両立させるのか、岐阜県の政策への活用だけでなく、日本各地にとってのモデルケースとなることが期待されます。
観光庁は、「住んでよし、訪れてよし」の観光地づくりを実現するために、様々な取り組みを進めています。岐阜県でも同じビジョンのもと、観光に関わるデータに基づき、地域の環境や文化を守りながら、いかに良質な体験を提供し、旅行者にとっても居住者にとっても持続可能な発展を続けていくことができるのか、先進的な取り組みが進むと考えられます。
さらに、岐阜県がINSTOに参加することは、グローバル規模での他の地域との事例の共有やディスカッションを通じ、これまでにない革新的な解決策が生み出される可能性を広げました。
この大きな一歩が、「住んでよし、訪れてよし」の実現に向けた、データに基づく観光戦略づくりの基礎となり、間違いなく日本や世界中の他の地域に波及すると信じています。(KY)