オンライン視聴者数1,300万人
2023年11月3日から5日にかけて両国国技館にて開催されたeスポーツ世界大会のオンライン視聴者数が約1,300万人。
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- Red Bull Home Ground
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皆さんは両国国技館と聞き、真っ先に思い浮かぶことはどのようなことでしょうか。恐らくほとんどの人が「相撲」と答えると思います。そんな相撲の聖地である両国国技館において、最近eスポーツの世界大会が開催されました。
そもそもeスポーツとは、一般社団法人日本eスポーツ連合の定義によると「『エレクトロニック・スポーツ』の略で、広義には、電子機器を用いて行う、娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称」*1)とされています。
2023年11月3日から5日にかけて「Red Bull Home Ground」というeスポーツの招待制世界大会が両国国技館にて開催されました*2)。オンライン視聴者数(世界)は3日間で約1,300万人にも上り、オフライン(現地)においても3日間で約1万3,000人が来場しました。
コロナ禍が明け、両国国技館という大規模な施設で大会が開催されているように日本のeスポーツ市場も盛り上がりを見せています。ここでのeスポーツ市場とは、競技大会における放映権料やチケット売上のみならず、チームへのスポンサービジネスや、プロ選手によるストリーミング(YouTubeなどでの動画投稿・配信活動)も含んだものです。
市場規模に目を向けると、一般社団法人日本eスポーツ連合が発行する「日本eスポーツ白書2023」*3)において、コロナ禍の2022年における国内eスポーツ市場規模は125億円と算出しており、2025年には約1.7倍の210億円規模まで成長すると予測されています。また、項目別割合としてはスポンサービジネスが4割を超えており、国内eスポーツ市場はスポンサービジネスが支えていることが分かります。
なぜeスポーツ市場がそこまで成長すると予測されているのでしょうか。その理由の1つは、eスポーツを観戦する層にあると考えられます。株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した調査*4)によると、eスポーツ視聴者層は10~30代の若者、特に男性が圧倒的に多いという結果でした。つまり、10〜30代の男性へピンポイントに自社商品・サービスを訴求したいと考える企業にとって、非常に魅力的な市場と言えます。例えば、エナジードリンクについて考えてみます。マイボイスコム株式会社が行った調査*5)によると、男性10~40代の6割前後が飲用するという結果が示されています。エナジードリンクの飲用者層とeスポーツの視聴者層は近しいものがあり、エナジードリンクの事業者がeスポーツ事業に広告掲示やスポンサーとして出資することは効果的だと考えられます。「Red Bull Home Ground」では、極端に言えば約1,300万人もの若者に対して商品を訴求するチャンスが存在していたと言えます。
「Red Bull Home Ground」のオンライン総視聴者数から考えると、世界のeスポーツ市場は大きく、いまだニッチな市場である日本のeスポーツ市場は成長可能性が高いと感じます。加えて、近年ではeスポーツを用いて若者との接点を増やし、地域活性化に取り組む自治体等も見受けられます。兵庫県では2022年に「HYOGO eスポーツフェスタin城崎温泉」*6)を開催し、企画を通じた若者への地域の魅力発信にも力を入れており、都市部のみならず地方部からの盛り上げにも期待できます。これからの観光振興策を考える際には、若者男性をターゲットにeスポーツを活用することを候補に入れてみてはいかがでしょうか。(sでん)
<参考文献>
1)一般社団法人日本eスポーツ連合、「eスポーツとは」
2)Red Bull、「Red Bull Home Ground」
3)株式会社角川アスキー総合研究所、「日本eスポーツ白書2023」
4)株式会社ロイヤリティ マーケティング、「10代から60代に聞いたeスポーツに関する調査」
5)マイボイスコム株式会社、「エナジードリンクに関するアンケート調査(第5回)」
6)兵庫県eスポーツ推進検討会、2023、「兵庫県におけるeスポーツの取組の方向性」