利用経験は6.1%

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日本人のメタバース利用経験は6.1%で、アメリカや中国の約1/6に留まる。

日本人のメタバース利用経験は6.1%で、アメリカや中国の約1/6に留まる。
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総務省「令和6年版 情報通信白書」

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コロナ禍でテレワークなどの環境整備がされたことをきっかけに、インターネットでのコミュニケーションが当たり前になったという人も多いでしょう。コロナ以前の生活が戻ってきて出社の回数が増えても、オンライン会議は続いている、という方も多いのではないでしょうか。

インターネット上の仮想空間である「メタバース」について、総務省が発表した令和6年度情報通信によると、日本人の利用率は6.1%でした。2023年度の結果と比べると微増はしていますが、他国と比べると、まだ利用経験が少ない結果となっています(2023年度とは設問の選択肢が異なるため、あくまでも参考値となります)。

 

メタバースは、インターネット上の仮想空間のことを指します。そこで自分自身の分身であるアバターで他者と交流したり、ゲームの世界に入り込んだり、ショッピングなどのサービスを利用したりすることができます。このメタバースと切り離して考えられないものとして、ゴーグルなどを通して現実世界に仮想空間を再現するVRデバイスがあります。メタバースが普及しない理由としてVRデバイスのハードルがあげられることも多いですが、すでに我々の生活に欠かせないスマートフォンやパソコンと同じような操作性や利便性が再現でき、それがより「心地よい空間」となれば、利用者も少しずつ増えていくと考えられます。

昨年度に弊社が実施した自主研究の中で、リアルとバーチャルの関係性について、リアルがバーチャルに置き換えられることはなく、「共存するもの」である、という話がありました。また、人類がこれまで辿ってきた歴史から考えても、バーチャルの概念が生まれ、デジタルデバイスが普及したのはつい最近のことであり、人間の脳はこの環境変化に適応中であると考えられます。それらを踏まえると、全てがバーチャルに置き換えられる未来はまだ先のことになりそうですが、リアルとバーチャルの「いいとこ取り」をすることで、より面白いサービスが生まれ、日本人にとってもメタバースが身近な存在になる未来がくることを、楽しみにしたいと思います。(みや)
 
<参考>
総務省「令和6年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/index.html
総務省「令和5年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/index.html