約26リットル/年・人の増加
ミネラルウォーターの消費量は、2005年から2023年にかけて約26リットル/年・人 増加している。
- Source
- 一般社団法人日本ミネラルウォーター協会
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2005年、日本人1人あたりのミネラルウォーターの消費量は、年間わずか14.4Lでした。ドイツ(109.7L)、フランス(125.3L)、イタリア(176.5L)、スペイン(154.0L)と比較すると、かなり少ない消費量であることが分かります。世界中を見渡しても水道水をそのまま飲むことできる国は限られる中、日本では各家庭に水道が引かれ、当たり前のようにそのまま水を飲むことができることが主な要因であったと考えられます。
しかし、近年のライフスタイルの変化や健康志向の高まりなどによって、ミネラルウォーターの消費量は急増しました。2023年には、1人あたり年間40.2Lにまで達し、2014年からの10年間で約1.6倍に増加しています。この背景には、現代社会において安全でおいしい水へのニーズが高まったことや、手軽に持ち運べるペットボトル入りのミネラルウォーターが重宝されるようになったことがあり、更にアウトドアレジャーの人気の高まり、災害時の備蓄としての需要なども、ミネラルウォーターの消費を押し上げていると考えられます。また、(濾過、加熱、殺菌以外の)物理的・科学的処理を行っていないナチュラルミネラルウォーターの生産比率が2023年には97.1%と安全で良質な天然水の需要の大きさが分かります。
このように、ミネラルウォーターが生活の一部になる中、注目を集めているのが、「ご当地の水」です。日本各地には、その土地ならではの特徴を持つ水があります。例えば、世界自然遺産や国立公園に湧き出る水や温泉水、雪解け水など地域特有の水を活用した独自ブランドとしてプロモーションする動きも見られます。
ミネラルウォーターの消費が増加している今、ご当地の水には地域活性化や魅力創出につながる可能性があります。水は命の源であり、その土地の自然と結びついています。自然の恵みや文化を見直し、地域のブランドの育成は、未来への有効な投資であることとして、改めて考えてみてはいかがでしょうか。(s)