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「紙のニュースもインターネットニュースも読まない」と回答した人

「紙のニュースもインターネットニュースも読まない」と回答した人
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JTB総合研究所「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2024)」

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みなさんは、日々、社会で起きている出来事についての情報をどのように取り入れているでしょうか?当社が2013年から継続的に実施している「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査」をみると、2018年ごろまでは、紙の新聞からインターネットニュースへのシフトがみられていましたが、ここ数年はインターネットニュースの利用も減少傾向となっています。一方、紙の新聞もインターネットニュースも「読まない」という人の割合は継続的に上昇しており、2024年度の調査では、約5人に1人(21%)が「読まない」と回答しました。

 

では、新聞もインターネットニュースも読まない人は、どのように情報を取り入れているのでしょうか。
 別の質問で、「3年くらい前と今を比較して、頻度や費やす時間が減ったこと、増えたこと」を聞いてみた結果をみると、「SNSで表示される情報で最近の話題を知る」が「増えた」という回答の割合は16.1%で、「減った」は6.1%となりました。「3年以内に始めた」の4.8%も加えると、SNSで表示される情報で最近の話題を知ることが増えたと考える人が、減ったと考える人よりも15ポイント近く多いことになります。このことから、SNSの情報収集ツールとしての位置づけが、より一層強まっていることがわかります。

 

また、情報検索の手段としては、検索エンジンでのキーワード検索が81.7%と主流ではあるものの、地図アプリや動画投稿サイトの利用が増加し、4割を超えました。また、Chat GPTなどの生成AIによる検索は、全体でも約1割、29歳以下の男性では、さらに17.5%と存在感をみせ、情報収集手段の勢力図が大きく変わりつつあることが感じられます。
 日常的な情報に関しては、SNSのプッシュ型情報で知り、自分自身が関心を持つ情報をプル型で探す際には、地図アプリや動画投稿サイト、Chat GPTなどを活用する傾向が強まっているのではないでしょうか。
 これまでは、利用者の関心が高そうなキーワードを散りばめることが、利用者の目にとまるためには重要でしたが、Chat GPTなどの生成AIで表示されるには、コンテンツそのものの質も重要となります。自分たちが発信する情報を、どのように利用者に届けられるのか、情報提供のあり方にも再考が求められそうです。
(YO)