マスツーリズム

ますつーりずむ / Mass Tourism

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マスツーリズムとは、第2次世界大戦後の経済発展を背景に、それまで富裕層に限られていた観光旅行が、幅広く大衆にまで拡大した現象を指す。1950年代に米国で現れ、その後、欧州に広まった。

日本は、1970(昭和45)年の大阪万博を境に旅行の大衆化が一気に進んだ。戦後の経済成長に伴う可処分所得の増加、1964(昭和39)年の新幹線開業、1970(昭和45)年のジャンボジェット機就航などに見られる輸送力の向上と高速化、大型ホテル・旅館の開業による宿泊受入数の拡充、雑誌やテレビによる海外観光地情報の流布、パッケージツアーの創出などが背景にある。

観光地は経済的な恩恵を受けたものの、環境汚染や自然破壊という課題も抱えた。一方、当初は慰安旅行などの団体旅行が主流であったが、成熟期を迎えた現在の日本は、旅行の個人化と共に、目的志向や高級志向など旅行スタイルの細分化が進んでいる。