三世代家族旅行と母娘旅行の動向調査
結果概要
- 三世代で旅行する理由は「親が喜ぶから」
- 親の経済力に依存する傾向が強い三世代家族旅行
- 三世代旅行は親夫婦・子供夫婦のいずれかが主導、母娘は一緒に計画
株式会社ツーリズム・マーケティング研究所(現JTB総合研究所)は、「三世代家族の旅行」と「母娘の旅行」について、20~30代の女性400名対象に調査を実施しました。「三世代家族の旅行」に行ったことのある181人、「母娘の旅行」に行ったことのある219人に、それぞれ旅行する時期や理由、費用の負担や計画の立て方などについてたずねたものです。
その結果、同じ「親との旅行」でも、「三世代家族の旅行」と「母娘の旅行」では、費用負担、旅行理由、計画の立て方などに微妙な違いがあることが分かりました。三世代で旅行に出かける理由は、「親が喜ぶから」の割合が高く、母娘旅行では「気兼ねが無い」、「一緒に旅行すると楽しい」の比率が高くなっています。三世代旅行の場合、母娘旅行に比べて旅行費用の負担を親に依存する傾向が強いようです。また、三世代旅行の計画は、子供夫婦か親夫婦のいずれかの主導で行われることが多いのに対し、母娘旅行は2人で話し合って決める傾向のあることがうかがえます。
調査結果の注目ポイント
- 旅行時期:三世代旅行は「夏休み」、母娘旅行は「平日」を選ぶ傾向三世代旅行、母娘旅行ともに旅行によく行く時期は「特に決まっていない」が多数派となっていますが、これを除くと、三世代旅行では「夏休み」に、母娘旅行では「(夏休み、春休み、年末年始、ゴールデンウィーク、秋以外の)平日」に出かける人が多く見られました。夏休みに三世代旅行に出かける理由としては、「休みがとりやすい」(76.2%)に加え、「学校が休み」(35.7%)が挙がっています。母娘旅行に平日に出かける主な理由は、「混んでいない」、「料金が安い」などです。三世代旅行では、参加者のスケジュール調整のしやすさを、母娘旅行では「混雑していない」「料金が安い」「予約が取りやすい」など旅行のしやすさを理由に時期を決める傾向がうかがえます。
- 旅行の理由: 三世代旅行は「親や子が喜ぶから」、母娘旅行は「気兼ねがない」「自分も楽しむ」三世代旅行や母娘旅行に行く理由のトップは「親が喜ぶから」となっています。三世代旅行では、「一緒に旅行すると楽しい」「子どもが喜ぶから」といった理由が続いていますが、母娘旅行では「気兼ねがいらない」「一緒に旅行すると楽しい」の順番になっています。「一緒に行くと旅行費用(全額または一部)を支払ってもらえるので」という理由は三世代旅行の場合の方が多く、「一緒に買い物や食事ができるので」「趣味が合うから」「親が誘うので」は母娘旅行の理由として多くあげられています。選択肢が若干異なるので単純な比較はできませんが、三世代旅行に行くときは「親や子を喜ばそう」という気持ちが働いているのに対し、母娘旅行では本人達が楽しもうとする意思が強く感じられるように見えます。
- 費用負担: 三世代旅行、母娘旅行ともに5割以上が親の経済力に依存三世代旅行、母娘旅行いずれも本人たちが親の費用を支払うケースは2割未満と少なく、「親が支払う」「両方が支払うが親が多めに支払う」の合計は、三世代旅行で60%、母娘旅行で50%を占めており、親の経済力への依存度が高いことが分かります。三世代旅行に比べると、母娘旅行の際には「それぞれ支払う」「子供が支払う」割合が多い傾向が見られます。
三世代旅行の費用の負担を年代別にみると、20代では「親夫婦」が支払うという回答が過半数を占めるのに対して、30代では「親夫婦」(31.5%)、「親世帯と子世帯がそれぞれ」(31.5)%、「親が多め」(26.1%)という回答に分散しています。
母娘旅行の費用は、未婚者では「母が支払う」と「母が多め」を合わせると56%と母親に金銭的に頼っている様子が伺えますが、既婚者では「母と娘でそれぞれ支払う」がもっとも多くなっています。
- 計画の立て方: 三世代旅行ではどちらかが主導、母娘旅行は一緒に決める誰が費用を支払うかにかかわらず、旅行の計画は三世代旅行、母娘旅行いずれの場合も「娘または子供夫婦」が中心となって決める傾向が強くなっています。母娘旅行では「2人で話し合って決める」(40.2%)も同様に多くなっていますが、三世代旅行を「親夫婦と子供夫婦が話し合って決める」(24.9%)ことは比較的少ないようです。母娘旅行の計画は話し合って決めることも多いのに対して、三世代旅行では、親夫婦か子ども夫婦いずれかが主導権を握る傾向が強いようです。年齢別に詳しくみると、三世代旅行の計画を立てるのは、20代では「親夫婦が中心に決める」(43.3%)、30代では「子供夫婦」(48.6%)がもっとも多くなっています。一方、母娘旅行の計画は、20代は「二人で話し合って決める」58%、「娘が中心となって決める」54%の順、30代は「娘中心」(50%)が一番多いものの、「二人で」(42%)も高い比率になっています。
調査・研究結果 本文
調査概要
- 調査手法
- WEB調査
- 調査対象
- 首都圏在住の20~30代の女性
- 調査期間
- 2006年3月16日(木)~21日(火)
- 有効回答数
- 400名
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
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