ドライブ旅行に関するアンケート調査
~SA・PA、道の駅の利用動向について~
結果概要
- シニア層は、ドライブ旅行の頻度、移動距離 ともに多い
- SA・PAは「飲食」、道の駅は「地場産品(野菜等)の購入」の目的の利用が多い
- SA・PAや道の駅に車を停めて行う観光、51.8%が意向あり
(株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 日比野健)では、「ドライブ旅行に関するアンケート調査~SA・PA、道の駅の利用動向について~」を実施しました。当社は、生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を継続的に行っています。
2012年8月に行ったアウトレットモールに関する調査では、日本での開業から20年、ブランド品を安く買う目的から、今や手軽なレジャー先の一つとしてアウトレットモールが求められていることが明らかになりました。一方、高速道路のサービスエリア(以下SA)・パーキングエリア(以下PA)は、2005年に日本道路公団が民営化されて以来、付帯施設から得られる収益の重要性が増し、各社が力を入れるようになってきました。その結果、地元食材を提供する店から高速道路初出店の有名店、更にはバイクのレンタル店まで、単なる休憩所ではない「行くと面白い場所」に変貌し、テレビの特集にもよく登場するようになりました。
道の駅は1993年に全国103箇所が第1号として正式登録されて以降、現在では約1,000箇所にのぼり、地元の食材や土産物を求める旅行者で賑わっています。中には、現地発着の着地型旅行の拠点となっている道の駅もあります。
当社は、アウトレットモールについての調査に続き、東京、大阪、名古屋圏の居住者を対象に、ドライブ旅行(※)の際のSA・PAや道の駅への訪問動向や今後のニーズなどについてアンケート調査を実施しました。
(※本調査ではドライブ旅行を「自家用車で行く旅行(日帰り、宿泊のいずれでも。また家族・友人等に載せてもらう場合も含む)」と定義しています。)
主な調査結果は以下のとおりです。
主な調査結果
1.過去10年でシニア層の運転免許保有率が大きく増加
ドライブ旅行の分析に先立ち、2001年と10年後の2011年の運転免許保有率の推移から市場を見た。特に女性の保有率の変化に着目すると、35歳から上の年齢層の保有率が増加しているが、なかでも、55歳以降および60代が10年間で20ポイント以上増加している(図1、2)。こうした変化から、中高年層の夫婦の2人でのドライブ旅行や、シニア層女性グループの、電車やバスだけではない、車でのドライブ旅行を行う可能性が高まっていることがうかがえる。
2.55.2%が過去1年間にドライブ旅行を実施。シニア層で頻度が高く、移動時間も長い。
全体の46.3%がレンタカー未経験者。若年層のレンタカー利用は旅先より自宅近くで借りたドライブ経験が高い
過去1年間にドライブ旅行に出かけた人は55.2%で、生年別にみると1941~1945年生まれ(67~71歳)が64.7%と最も高かった。また、年齢が高くなるほどドライブ旅行の回数も増加する傾向がみられ、1941~1945年生まれ(67~71歳)は37.4%が「3回以上」であった(図3)。また、この1年間のドライブ旅行の平均的な移動時間をみると、年齢が高くなるほど移動時間が長くなっている。1990~1995年生まれ(17~22歳)は78.5%が平均的な移動時間が「3~4時間」以下であるのに対し、1941~1945年生まれ(67~71歳)は44.9%であり、その差は33.6ポイントとなっている(図4)。これらの結果
からも、現在のシニア層が活発にそしてより遠方にドライブ旅行を行っていることが推測できる。
なお、レンタカーを利用したドライブの経験については、年齢層でそれほど大きな差は見られず、全体の46.3%がレンタカーの利用は未経験だった。若年層は「自宅近くからレンタカーを借りた」ドライブの経験率が、旅先での利用より高かった(図5)。若年層は車を持たず、出かける際は自宅近辺でレンタカーを借り、それほど移動時間の長いドライブ旅行はしない、というスタイルとなっていることがうかがえる。
調査・研究結果 本文
調査概要
- 調査対象者
- 東京、大阪、名古屋圏に居住する18歳以上の男女4,908サンプル(うち、この1年間にドライブ旅行をした方2,438サンプル)
- 調査方法
- インターネットアンケート調査
- 調査時期
- 2013年2月26日~28日
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211