国内線LCC利用者の意識と行動調査
結果概要
- 国内線LCC就航により、若い世代を中心に旅行機会が増加。
- 2012年以降に飛行機で旅行をした、関東・関西居住者の11.5%が国内線LCC利用経験あり。関東と関西で10ポイント以上の差。
- 国内線LCCを利用した旅行は74.7%が観光目的。業務出張も18.9%と2番目に高い。
(株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 日比野健)では、「国内線LCC利用者の意識と行動調査」を実施しました。
国内線LCC※1は、2012年3月のPeach Aviationに始まり、7月にジェットスター・ジャパン、8月にエアアジア・ジャパンが相次いで就航し、2013年7月末時点で国内25路線と着実に路線数を増やしています。就航当初は遅延や欠航の多さ、既存の航空会社とのサービス面での違いなどの話題も多かったものの、利用者は着実に増加し、今年のG.W.の国内線LCC搭乗者数は約17万人と、航空機利用者全体の約5.8%に上りました。
就航から1年以上が経過した現在では、LCCがどのようなものかも浸透してきたと思われますが、旅行者はどのような感覚で利用しているのでしょうか。当社は、国内線LCCの登場が与えた変化や利用状況、今後の利用意向などについてアンケート調査を実施しました。
※1:Low Cost Carrier(低コスト航空会社)の略。本リリースでは国内線LCC=Peach Aviation(以下ピーチ)、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの3社いずれかが運航するものとする)
調査結果
1. 2012年以降に飛行機で旅行をした人の11.5%が国内線LCC利用経験あり。
関東居住者と関西居住者で利用経験率に10ポイント以上の差。
スクリーニング調査の結果、2012年以降に飛行機で旅行をした人は全体で35.0%。このうち、国内線LCCの利用経験がある人は11.5%だった。年代別では男女とも20代以下(18~29歳)の利用経験が最も高く、男性21.9%、女性16.5%であり、年齢が高くなるにつれ利用経験が低くなっている。また、若い年代では男性の方が女性より利用経験が高いが、年齢が高くなるにつれ男性と女性の利用経験率の差が小さい(図1)。
居住エリア別(関東、関西)の利用経験率は、関西居住者が18.8%に対し関東居住者が8.3%と10ポイント以上の差となっている。これを年代別にみても、全ての年代で関西居住者が関東居住者を10ポイント前後上回る結果であり、更に航空会社別にみると、関西国際空港を拠点に展開しているピーチが関西居住者で高い利用率を示した。成田国際空港を中心に展開しているジェットスター・ジャパンやエアアジア・ジャパンの関東居住者の利用率はピーチほどには高くなく、関西居住者にピーチの存在が浸透し、国内線LCC利用経験の増加にも大きく寄与していることがうかがえる(図2)。
また、国内線LCCの利用回数は、各社とも概ね1~2回が多い。エリア別にみると、関西では利用回数6回以上も1割以上となっており、関西ではLCCのリピーターも多いことがうかがえる(図3)。
調査・研究結果 本文
調査概要
- 調査対象
- <スクリーニング調査>
- 関東、関西に居住する18歳以上の男女 43,918人回収。
(関東:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県/関西:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県) - 回収は、エリア(2セグメント)および年代(5セグメント)を、平成22年国勢調査の比率に出来るだけ沿うよう実施。
集計時には性別(2セグメント)の比率もあわせウエイトバックを実施。
- 2012年以降に飛行機で旅行をした人:15,389人、国内線LCC利用経験者:1,763人。
<本調査>
- 2012年3月以降に、旅行※2のために国内線LCCを利用したことがある人 949人回収
- 集計は、スクリーニング調査で得られたエリア(2セグメント)・年代(5セグメント)・性別(2セグメント)の国内線LCC利用者出現率によりウエイトバックを実施。
※2:本調査では特に断りのない限り、観光、業務出張、帰省等を含むものを指し、日帰り・宿泊は問わない。
- 関東、関西に居住する18歳以上の男女 43,918人回収。
- 調査方法
- インターネットアンケート調査
- 調査時期
- 2013年6月28日~7月3日
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211