シニアのライフスタイルと旅行に関する調査
~70代にさしかかる団塊世代の変化と今後への可能性~
結果概要
- 旅行頻度が減少に向かう転機は70歳。50代から計画や準備がおっくうに
- シニアの旅行頻度を保つためには“旅前”のサポート(準備や計画)が肝心
- 自分が慣れ親しんだ「過去」を巡る旅や「健康づくりの旅」がキーワード
(株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 日比野健)は、「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査」を実施しました。当社は生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を継続的に行っています。
団塊世代はベビーブーマーとして、モータリゼーション、ライフスタイルの欧米化・多様化が進む中、日本における消費を長らくけん引してきました。10年ほど前から退職期を迎え、ここ数年は完全退職者が増えましたが、彼らの消費は底堅く、様々な分野で「シニア消費」が期待されてきました。旅行市場においても、自分の時間ができた多くの団塊世代が様々な同行者と様々なテーマの旅行を楽しみました。しかしながら今後は彼らも70代にさしかかり、体力や気力が衰えたり、健康状態が悪化したりなど、思うように外出ができない人が少しずつ増えることが予想されます。
厚生労働省のデータをみてみると、日本の「平均寿命」は2014年時点で男性が80.5歳、女性が86.8歳となり、ここ10年で、それぞれ1.9歳、1.2歳の延びとなりました。しかし日常生活に制限なく暮らせる「健康寿命」の延びは平均寿命ほど延びておらず、平均寿命が延びるにつれ、日常生活に不自由を抱えながら暮らす期間も延びることが問題となっています。
「旅行やお出かけ」には気分をリフレッシュさせ、心身の健康や活力を増す効果があると考えられます。誰でも安心して旅行が楽しめる社会づくりとして、ユニバーサルデザインやユニバーサルツーリズムの取り組みも進みつつあります。“旅行先でどのように受け止めるか”は、もちろん大切なことですが、それだけではなく、生涯における健康増進という観点から、“どれだけ多くの人たちに外出する機会を創り出せるか”ということにも、社会的に大きな意義があるのではないでしょうか。
当社では2007年以降、団塊世代の調査を継続的に実施してきましたが、本調査では、団塊世代、および団塊世代の今後を読む上で参考となるキネマ世代(団塊より上の世代)のライフスタイルや旅行・お出かけに対する実態を知ることにより、今後の高齢化社会の中で課題や可能性を探ります。
なお、シニアとの比較のため、インターネット調査は20~79歳と幅広い年齢を対象としています。また、シニアの実態をより深掘りするため、インタビューによる聞き取り調査も実施し、定量的なデータだけではわからない生の声を抽出しました。
調査・研究結果 本文
調査概要
- 調査1 インターネットアンケート調査
- 調査対象
- 首都圏、名古屋圏、大阪圏に住む20歳から79歳までの男女3,610名
過去1年以内に1回以上、宿泊を伴う旅行をしたことがある人(国内、海外問わず)
- 調査期間
- 2016年3月8日~3月14日
- 調査2 インタビュー調査
- 調査対象
- 首都圏に住み、「最近おでかけの頻度が減った」シニア女性(79歳~82歳)3名
- 調査期間
- 2016年2月
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211