2020 / 21年の年末年始の国内旅行推計
~対象期間2020年12月23日~2021年1月3日~
結果概要
- GoToトラベルキャンペーンの全国一時停止措置による影響
- 国内旅行者数 790.2万人、前年比27.0%
- 国内旅行総消費額 2607.6億円 前年比27.8%
- 全国一時停止措置による消費減少額は3,187.1億円と推計
㈱JTB総合研究所は、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベルキャンペーン」の新型コロナウイルス感染症拡大による全国一時停止措置を受け、今年の年末年始に1泊以上の国内旅行に出かける人の旅行者数、消費額について推計をまとめました。本調査は、各種消費者アンケート、経済指標、観光統計、宿泊施設や交通機関の予約状況などから算出しています。
なお、対象期間は、前年との比較のために、2020年12月23日~2021年1月3日出発分としています。GoToトラベルキャンペーンの全国一時停止措置は2020年12月28日~2021年1月11日出発分を対象に、12月14日に発表されました。既に、札幌市、大阪市、名古屋市、東京都を目的とする旅行は12月27日23時59分までの出発分について、新規予約の停止が行われ、札幌市民、大阪市民、名古屋市民および東京都民に対しては利用の自粛が呼びかけられていました。12月16日に、広島市を目的とする旅行、および広島市民に対しても同様の発表がなされました。推計は下表のとおりです。
(表1)2020/21年の年末年始の国内旅行推計
GoToトラベルキャンペーン全国一時停止措置の発表後、宿泊施設や旅行のキャンセルが相次いでいます。キャンペーン利用者によるキャンセルおよび、一時停止措置の対応が移動の抑止となり、旅行や帰省を見送る人が増えていると考えられます。
日本人の国内旅行消費については10月からGoToトラベルキャンペーンに東京が対象に加わり、観光庁の宿泊旅行統計調査の国内宿泊者数は、前年同月比17.2%減(インバウンド除く)と回復が見られていましたが、11月以降、感染拡大よる減退も懸念されていました(図1)。当社は2020/21年の年末年始の国内旅行者は、12月当初前年の6割程度になると予想していましたが、感染拡大、需要喚起策の一時停止を受け、27%程度まで引き下げました。旅行者数は790.2万人、国内旅行消費額は2607.6億円となり、期間中のGoToトラベルキャンペーンの全国一時停止措置による消費減少額は、3187.1億円になると推計します。今後の感染状況で推計は変わる可能性があります。なお、総務省の家計調査によると、可処分所得は6か月連続実質増加(10月現在)となっており、当社のアンケートからも、将来への不安はあるものの、全体的には現在の消費意識は決して低くはなく、特に長期間、自由に楽しむことができないコト消費への欲求は高くなってきていると考えられます(図2)。
(図1)国内旅行宿泊者数推移
(図2)実収入・消費支出・可処分所得の推移(対前年同月名目増減率)
調査概要
- 調査方法
- 各種消費者アンケート、経済指標、観光統計、宿泊施設や交通機関の予約状況などから算出
- 調査対象期間
- 2020年12月23日~2021年1月3日
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
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