2021年のゴールデンウィークの国内旅行推計
~対象期間:2021年4月25日~5月5日を含む旅行~
結果概要
- 「緊急事態宣言」が東京都、大阪府、京都府、兵庫県に発出、「まん延防止等重点措置」の対象県は拡大へ。他の地域の旅行需要は一定程度あるが、域内旅行の志向がさらに強まる
- 国内旅行者数は950万人、前年比190%、19年比39.6%
- 一人あたりの平均費用は32,300円 前年比112.5%、19年比90.0%
- 国内旅行総消費額は3,069億円、前年比213.8%、19年比35.6%
(株)JTB総合研究所は、今年のゴールデンウィーク(以下、GW)期間中に1泊以上の国内旅行に出かける人の旅行者数及び消費額について、推計をまとめました。本調査は「2021年ゴールデンウィーク(4月25日~5月5日を含む旅行)の旅行を取り巻く環境と意識調査(JTB)」および各種消費者アンケート、経済指標、観光統計、宿泊施設や交通機関の予約状況・運行状況などから算出しています。対象期間は、過去のGWとの比較のため、2021年4月25日~5月5日を含む旅行としています。推計結果は下表のとおりです。
(表1)2021年GWの国内旅行推計
*「国内旅行者数」は、宿泊を伴う旅行者数の人数(観光および帰省目的の旅行)、「一人当たりの平均費用」及び「国内旅行総消費額」は、交通費・宿泊費・土産代・食費等の旅行中の諸費用を含む(各種キャンペーンによる補填額は含まれない)。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は「緊急事態宣言」を東京都、大阪府、京都府、兵庫県に2021年4月25日から5月11日まで発出し、4月5日から10都府県に対して適用していた「まん延防止等重点措置」も対象県を拡大しました。その結果首都圏、関西の主要都市発着の移動が大きく縮小することが見込まれます。しかしながら緊急事態宣言の対象が「全国」だった昨年と違い、今年は「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」の対象外の地域があります。また今年のGWの日並びは5連休があり、その前の平日1日を休めば7連休、さらにその前後の土日を絡めると長期休暇にすることが可能です。よって昨年に比べ一定程度の旅行者は増えるとし、旅行者数は950万人(前年比190.0%)、一人当たりの平均費用は32,300円(前年比112.5%)、国内旅行総消費額は3,069億円(前年比213.8%)と推計します。
旅行を予定している人は、新型コロナの感染防止を最優先し、2020/2021年の年末年始よりさらに域内志向が強まり、近場で短期間の旅行、自家用車での移動、密を避け、他の旅行者や住民との接触を極力避ける旅先や宿泊施設を選ぶ傾向が見られます。旅行費用については、域内旅行志向による平均泊数の低下、および将来不安による旅行費用の抑制傾向が見られる一方で、実際の暮らし向きはそれほど悪い状況ではなく、また多少割高でも新型コロナの感染防止を優先する傾向から、一人当たりの平均費用(単価)は2020年GWを上回ることが予測されます。
しかしながら、コロナ禍前の2019年に比べて旅行者数は39.6%、国内旅行総消費額は35.6%、実額にして5,551億円の減少となり、旅行市場への影響は依然大きい状態です。なお、本推計は今後の感染状況や政策対応次第で変わる可能性があります。
調査概要
- 調査方法
- 各種消費者アンケート、経済指標、観光統計、宿泊施設や交通機関の予約状況などから算出
- 調査対象期間
- 2021年4月25日~5月5日を含む旅行
調査に関するお問い合わせ
株式会社JTB総合研究所
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