SDGsに対する生活者の意識と旅行についての調査(2022) ~その3 スウェーデン、ドイツ、日本の3ヵ国比較~

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結果概要

  • SDGsの認知度は高い順から、スウェーデン、日本、ドイツ。ただし日本はSDGsの「重要性の認識」や「意識した行動の実践」についてはともに最下位、両国との差が大きい。
  • 17のゴールの重要性の認識は、スウェーデンとドイツは「日常生活」と「旅行・観光」の間に大きな差異はない。一方、日本は旅行・観光について落差が大きい。旅行・観光で最も大切と思うゴールは、日本、スウェーデンは「気候変動に具体的な対策を」、ドイツは「飢餓をゼロに」
  • 全般的にSDGsに関わる意識や具体的な行動の実施率が最も高かったのはドイツ
    • SDGsの取り組みを重視した商品(自動車、電化製品、食品、日用雑貨、衣料品、家・マンション、旅行)」に対し、価格が高くても購入する意向が全品目で最も高い。
    • 日常と旅行中の実践率の差が少ない。日本は日常生活で実践率の高い上位5つの行動(レジ袋・包装紙等の辞退、食品ロスの削減、ゴミの分別・リサイクルや持ち帰り、テレビ・照明等のこまめな消灯、エアコンやヒーター等の温度調節や利用制限)は旅行中では30ポイント以上ダウン
    • 全体的に価格が高くても持続可能な旅行商品を購入する意向が最も高い。内容別では、「訪問地の産品の使用(地産地消)」、「フェアトレード商品の使用」。スウェーデンは「カーボンオフセットや再生可能エネルギーの活用」、「訪問地の産品の使用(地産地消)」が高い
  • 旅行でSDGsを意識するために地域や商品・サービスの提供側が行うべき情報発信や推進活動として、スウェーデン、ドイツの1位は「世界的な認定機関から“持続可能な観光を推進する旅行先”としての認証がある」、2位は「宿泊施設の予約サイトを通じて、施設のサスティナビリティの取り組みが分かる」がそれぞれ約半数の割合

(株)JTB総合研究所(東京都品川区 代表取締役社長執行役員 野澤 肇)は、「SDGsに対する生活者の意識と旅行(2022)~その3 スウェーデン、ドイツ、日本の3カ国比較~」の調査研究をまとめました。当社は生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を多様な視点で継続的に行っています。

SDGs(持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。社会の関心は高く、国や自治体、企業などが積極的に取り組んでいます。当社は、観光の持続可能性について、地域・事業者と旅行者とのより良い関係性の構築を検討するために、SDGsに対する生活者の意識、および旅行時の意識や行動の把握を行いました。本稿「その3」では、ともに環境への意識が高く、「フライトシェイム(飛び恥)」(*1)運動の発端となったスウェーデン、国際観光支出額上位のドイツの旅行者と日本との比較を行いました。なお、「その1 日常全般における生活者の認知度、実践、消費生活者全体について」、「その2 旅行者の意識と旅行行動」は既に発表をしています。

*1 大量の化石燃料を使用する飛行機は、気候変動に与える影響が大きく、飛行機に乗ること自体が環境破壊に加担するため、「恥」であるとの考え

調査・研究結果 本文

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調査概要

調査方法
インターネットアンケート調査
対象者
日本・・・過去3年間(2018 年 12 月~2021 年 11 月まで)に1 泊以上の国内旅行をした 3,000 人を対象
スウェーデン・・・過去3年間(2018年12月~2021年11月)に、観光や帰省などの目的で1泊以上の旅行(海外旅行も含む)をした574人
ドイツ・・・過去3年間(2018年12月~2021年11月)に、観光や帰省などの目的で1泊以上の旅行(海外旅行も含む)をした632人
調査時期
日本・・・2021年12月17日~12月21日
スウェーデン・・・2022年1月6日~1月12日
ドイツ・・・2022年1月6日~1月12日

調査に関するお問い合わせ

株式会社JTB総合研究所
〒140-0002東京都品川区東品川2-3-14 東京フロントテラス7F
03-6260-1211