2015年1月から3月にかけて、世界的な景勝地として知られる京都市右京区・嵐山地区の渡月橋付近で、桂川の災害復旧工事が行われました。この地区で本格的な治水工事を実施するのは、桂川の管理が京都府から国へ移管された1967年以降、初めてのことです。
淀川河川事務所は嵐山地区の景観に配慮しながら河川整備計画を進めるため、「桂川嵐山地区河川整備検討委員会」を設立しました(2012年)が、2013年の水害は、その矢先に起こりました。桂川は2013年9月の台風18号で増水し、嵐山地区では両岸の約10ヘクタールが浸水し旅館や土産物店を含む93戸が浸水被害を受けました。
現在、嵐山地区で進めている工事は、検討委員会などの意見を基に計画した暫定的な対策で、2013年規模の水害への対応を図るには大規模な河川改修の検討を要しますが、本格的な河川改修に向け、中長期的に景観と治水の両立が模索されています。