東日本大震災発生当日、首都圏においては鉄道の多くが運行を停止し、道路は大規模な渋滞が発生し、バスやタクシーなどの交通機関の運行にも支障が生じました。その結果、首都圏において約515万人(内閣府推計)に及ぶ帰宅困難者が発生しました。
東京都はこれを受けて、東日本大震災以降に「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」を内閣府と共同で設置し、2012年3月に「東京都帰宅困難者対策条例」を制定し、2012年11月にはこの条例に基づく「東京都帰宅困難者対策実施計画」を策定。これらの取組みに基づき、都内所在の各事業所や宿泊施設等における帰宅困難者対策推進のため、2013年1月、『東京都帰宅困難者対策ハンドブック』が作成されました。
2013年4月、「東京都帰宅困難者対策条例」が施行されました。 都内に所在する全ての事業所や学校等に、所属する人数一人当たり3日分の水や食料を備蓄し、災害発生時に一斉に帰宅する動きを控えるよう求める内容です。また、地震等の災害で帰宅できない人が一時的に滞在するための施設を整備することも求めています。
六本木ヒルズ(東京都港区)を所有する森ビルは、条例にあわせ、2013年1月からビルのテナント事業者に対し、水や食料の備蓄を呼びかけてきました。森ビルが蓄えているのは計20万食。観光客らを一時的に受け入れる表参道ヒルズなど5カ所でも5,000人分を積み増すなどの対策を講じています。