2014年9月27日の御嶽山(長野・岐阜県境、3,067メートル)の噴火災害を受けて、火山活動についての情報提供の在り方をテーマにした住民の意識調査が岐阜県下呂市小坂町で開始されました。火山活動に関するどのような内容の情報を、だれに、どんなタイミング・手段で伝えるべきかを分析し、住民の防災意識の向上や風評被害を抑えるための方策の検討に繋げるためのものです。長野県側の山麓でも同様の調査の実施が検討されており、調査結果は3月中に取りまとめられる予定です。
気象庁は御嶽山噴火前の昨年9月11日、山頂付近の火山性地震が増えているとして解説情報を発出し、山麓の自治体はこれを山小屋などに通知したものの、入山規制等の対策に繋がることはありませんでした。災害発生時の被害を最小限にとどめるためには、常に最新の山の情報に触れている、山麓の住民や山小屋等で働く方々が持つ情報は極めて有用です。これらの「山に関する事実を伝える情報」を、「適切な対策・避難行動につなげるための情報」へと編集し、活用することが不可欠であり、今回の調査結果がその方策を検討するための示唆となるものと期待されます。