2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、訪日外国人の増加が期待されています。これを受けて、福岡市は今春、ICT(情報通信技術)を活用して観光や防災情報を提供するサービスの実証実験を始めることを決定しました。外国語での観光案内や災害時の避難指示などをスマートフォンに送信し、外国人観光客らが快適で安心な旅を楽しめる都市環境の整備を目指すものです。
3月までに市内に複数の小型電波発信機を設置。スマホにアプリをダウンロードした利用者が、発信機近くに来た際に電波を受信することで、福岡タワーや神社、仏閣などの観光情報を受けられるというプッシュ型の情報提供を想定しています。災害時の避難所などの情報も英語や中国語、韓国語、日本語の4か国5言語で提供する予定です。最も大きな課題は、訪日客に対してアプリの利便性・有用性を周知し、いかにしてダウンロードを促進するかという点です。ゲートウェイとなる空港や駅、宿泊施設や観光施設等における掲示を促進するなど、民間事業者の協力・連携が不可欠なうえ、ガイドブックや観光パンフレットに加えて「これを使いたい」と思わせるメリットをどのように付加するかという部分になると考えられます。
アプリの開発が進めば、地下鉄の切符の買い方、目的地まで道案内する音声ガイドなども多言語で提供することが可能となります。中長期的には、視覚や聴覚に障害がある人向けの情報提供も期待されます。